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【MARVEL】This is my selfishness

第13章 11th



電話の相手がHEAVENのケリーだと言うことは分かった。だが話の内容までは分からなかった。
ただ、その電話の後でピザの料金問題は解決したから、恐らくそれに関することを話してたとは思う。分からないとしたら何故ピザの料金問題をケリーに聞く必要があるか、ということ。

ミアのそういう行動は理由がわからないことがあるが、最近は俺に対する態度が少し変化した気がする。
以前より目が合う回数が減った。
いや、正確には減ったというよりも短くなった、だろうか?

目は合えど、すぐに逸らされることがある。目を合わせるようにして話す子のはずが、その目が合っている時間が短くなった気がするのだ。
そしてすぐに赤くなる。前から表情がコロコロと変わり、男慣れしてないのか赤面することはあった。しかし最近のは男慣れしてないが故の赤面とは少し違う気がする……というのは俺の願望か?





『もう。そこまで鍵にこだわるのは何で?』

その声に我に返る。

もう、と少し呆れるようにしながらも俺に紅茶の箱を渡すと空いた手に鍵を持つミア。
偉いぞ、と頭を撫でたくなったが、自分の両手は空いておらず「ああ、確かに両手いっぱいに荷物を持たなければよかったかもな」と思った。








ミアの部屋を出て鍵を閉めたのを見届けて階段を降りようとすると、後ろで扉を開ける音がした。

振り返ると、ミアが俺の部屋の玄関扉を開けていた。


『バッキーは開けっぱじゃん…!』

嘘でしょ、とでも言うように目を丸くする彼女に思わず笑う。

「俺はいいんだ」

『なんだそりゃ〜!』


わからん!とでも言いたげにムスッとしたかと思えば、次の瞬間には『わたしのSPなの?』とクスクスと笑っていた。
俺はSPになりたい訳じゃないが、ミアの近くに居れるのならそれでもいいかもしれない。ただSPになったとして、ミアが誰かに好意を寄せられた場合、もしくは好意を寄せた場合、俺は自分を押し殺してそれを見守れる自信はない……ならSPにはなれないな。












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