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【MARVEL】This is my selfishness

第12章 10th



〈ミアが大事なのは分かるが、わざわざ同じ職場のやつの身辺調査までするのか?〉

「……違う。ミアが…ウィンターソルジャーのことを知った」


以前サムにはミアがウィンターソルジャーのことを知らないようだという話をしていた。
それだけにサムは驚いたようで、一瞬の間の後、〈そうか〉と返事をした。


「それで知った経緯が妙なんだ。そのアレックスという男に懇切丁寧に説明されたらしくてな。内容があまりにも詳しすぎる。俺のことは情報操作がされているはずなのに、ワカンダで洗脳を解いてもらったことまで知っているようだ」

〈…確かに妙だな〉


博物館に展示されているのは俺が【バッキー・バーンズ】として死ぬまでのことのはずだ。ウィンターソルジャーとしての展示・記述はない。
インターネットでも検索したところでほとんどまともなサイトは出てこないようになっている。
もし事実が語られるようなサイトがあれば限度によっては国が消している。都市伝説として嘘か本当かわからないような書き方をされてるものはそのままにされていることもあるが、アレックスがミアに話した内容は全て事実だった。そして詳細だった。


〈ミアにそのアレックスとやらが何故そんなことを知ってるかは聞いたのか?〉

「…詳しくは聞いてない。ミアはミアで混乱していてそれどころではなかったしな。アレックスは俺をヒーローとして憧れている、というようなことを言っていたということしか」

〈…それもそうか…。わかった、こっちでも調べてみるが、あまり期待はしないでくれ〉



何かの事件を起こしたわけでも、関わっているわけでもない人物を国や軍で調べるには限度がある。
場合によっては野良の情報屋辺りを使うしかない。


通話を切り、乾燥機の稼働を静かに見守る。


頭に浮かぶのはミア。
ついに知られてしまった、ウィンターソルジャーという存在。
ウィンターソルジャー=バッキー・バーンズであるということ。
洗脳が解けたとはいえ本質は変わらないのでは、と考える奴も多い。



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