【MARVEL】This is my selfishness
第12章 10th
部屋に戻ってからスマホを見て、いつの間にか夕方になっている事に気づいた。
そしてスマホにはメッセージが来ていた。
アレックスからだ。
〈ごめん!急にいろんなこと喋りすぎたよね!?〉
〈ウィンターソルジャーが自分の身近にいることに興奮してたとはいえ、ミアには突然の事で受け入れれなかったよね、本当にごめん:_( 〉
汗マークのついた猫のスタンプと共に送られたメッセージからは突然帰ってしまったわたしへの気遣いが見て取れた。
困惑したとはいえ、置いて帰ってきてしまったことに今更ながら申し訳なさが、、、
〈ごめん、今メッセージに気づいた…。わたしの方こそ置いて帰ってごめんね。今はもう家にいます〉
sorryという絵文字スタンプを一緒に送ると、すぐに返信が来た。もしかしたらわたしから返信が無いことを気にしてくれていたのかもしれない。
〈良かった、家にいるんだね。何か事件に巻き込まれてたらどうしようって思ってた!〉
〈置いてったなんていいよ。それを言うなら僕は話でミアを置き去りにしてたようなんもんだし〉
その返信に思わず笑った。
確かに、わたしは物理的にアレックスを置いていったけれど、アレックスには精神的に置いていかれてた。
〈大丈夫、また仕事でね〉と返信してスマホを置く。
バッキーも来てくれるし、お茶会の準備しておこう。
時間は夜が深くなり、街が静寂に包まれて星だけが瞬く頃。
クッキーを作る時間があるから、何か映画を見ながら作ろうかな。
ミアとわかれてランドリー室に入る。ポケットに入れたケータイを取り出しサムへと電話をかける。
先程掛けてきたのもサムだった。そう時間が経っていないからか、すぐに応答があった。
〈どうした?何か質問でも出来たか?〉
「いや。調べてもらいたい奴がいる」
〈は?〉
「自分でも調べてみるがそっちの方でも調べて欲しい。アレックスというやつなんだが」
〈アレックス?そりゃ誰だ?ファミリーネームは?〉
「知らない。ミアと同じ店で働いている男だ」
そう言うと、向こうからため息が聞こえた。