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【MARVEL】This is my selfishness

第9章 小話1



アイツは廊下のほぼ真ん中にいたのが、いま少しだけ端へとカサカサ動いた。ゔぅ゙ぎも゙ぢわ゙る゙い゙……!!!!


〈ミア、唸ってるのか?〉

『ぅ゙ゔ、、だって、、ヒィ、』

〈虫がいるってことでいいか?〉

『そうゥ、、』

〈今からそっち行くから​────〉

『ま、待って!玄関はダメ!』


わたしがそう言うとバッキーは疑問符を浮かべたであろう気がした。
玄関がダメならどこから入れって言うんだ、と思うかもしれない。が、玄関はダメだ。

だって

だって玄関から来てもらうにも鍵は閉めてきたし、何よりアイツの横を通って鍵を開けに行くなんて無理!!!


アイツの場所を教えて、よって玄関は無理だということを伝えると納得してくれたバッキーは〈じゃあ、窓を開けといてくれ〉と言った。


窓?窓って…〈隣の建物側の窓だ〉
今度はわたしの疑問符があちらに伝わったらしい。


『分かったけど…なんでこっち?』

開けた窓から顔を出すとわたしと同じように電話を耳に当てたバッキーがお隣​───つまりバッキーの部屋の窓​────から顔を出してにこやかに手を挙げていた。


〈窓から離れてろよ〉


そう言うと、電話は切られた。

そのあとすぐに窓の外から音がして、窓から少しズレた所から見ていると隣の建物の外階段にバッキーが跳び移った。


跳び移った?!


え?!どこから?!と思ってるうちに今度はわたしの部屋の今しがた開けた窓の外側の窓枠上を掴むようにしてバッキーが跳び移り、見事に着地した。


「あー…服は?」


呆気にとられていると、バッキーは気まずそうに視線を逸らしながら言った。



『はっ!あ、ごめんなさい、服を準備しとくの忘れてて、それを取りに行く時にアレに気付いたものだから…!それより!アレ!アレどうにかして!!!』


バッキーに呆気にとられ忘れかけたアイツのほうを見ると、隅に寄ったままで場所が変わらずだった。


「ああ、コイツか。デカイな。潰して良いか?」

『うん!!!でもわたし死体処理もできないから拭き取りとかまでお願いしたい!』

「死体処理って…おおごとだな」


笑い事じゃないのに笑ったバッキーにティッシュを箱ごと渡した。




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