第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
さっきの見張り役が仲間を起こしたらしい。
周りをざっと取り囲まれる。
数えてみるとまあ、運のいい事に全員が揃ってた。
「てめぇ!どこから来やがった!?」
もちろん、無言です。
「目的は何だ!?」
…それ、答えると思ってんのかな?
「顔をきっちり出しやがれ!」
いや〜、それはあとのお楽しみってやつですぜ。
「殺されたくなけりゃ言う事聞きやがれ!」
…定型文で面白くないな。二点。
直立不動で無言で立つ私に痺れを切らした奴らは、ボスらしき人の合図で一斉に襲いかかってくる。
が、ここは敢えて無抵抗。
いきなり切り掛かるとは思えないんだよね。
問答無用だとしたら、どこから来た!?のくだり要らないじゃん?
結果的にビンゴ。
単に取り押さえられただけだった。
腕を後ろに取られて跪かされる。
そして髪を引っ張られた瞬間、かき上げられて顔が顕になる。
「「うわっ!!」」
案の定、誰もが私から手を離した。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛…。」
ダメ押しに、お化けっぽい異音(声)も出した。
「お、まえ…!」
「…っ!」
誰もが息を呑む中、
バーン!!!
すぐ近くで爆発が起こり、
「「「うわああぁぁー!!!」」」
蜘蛛の子散らす様に爆発とは反対側の、つまり入り口側へと走り出す。
…遊園地のお化け屋敷でお化け役やってる人の気持ちが凄いよく分かる。
「おっもしろーい♪」
「馬鹿言ってないで解けよ。」
はいはい…。