第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
まぁ、スケアさんがいるとはいえ、トウキにばっかりやらせるわけにはいかないからね。
ユウから言われた通り変化を解くと、乱闘を始めた外へと走り出す。
「もう霧解いてもいいんじゃない?」
「解いたよ。あとは風が吹いてくれればそのうち晴れるだろ。」
なら、ここはいっちょ写輪眼で頑張りますか。
「とう!」
一人目。トウキが相手にしていた奴の後ろからスパコーン!と頭を横殴り。
だが、手加減したのが悪かったのか元々頑丈だったのか、そいつは起き上がってくる。
「ユウ!アレやろう、アレ!」
「あぁ、…ってアレを!?」
「やるんなら今でしょ。」
「いや、俺見えないし!」
「大丈夫、私が持って被せてくるから。」
「いやいやいや、アレって持てるもんじゃないから!」
「やってみなけりゃ分からない!いいから一個ちょうだい!」
「〜〜!あーもう知らないからな。」
と言いつつ、出してくれたのがコレ。
水牢の術の小さいバージョンで、これをたまたまヘルメットみたいに被せたことがあって、それが意外に効果がある。
いつまでーも割れることなく、踠いても掻きむしっても取れやしないという優れもの。
まるで、頭部全体に張り付くスライムみたい。
手が通過する一瞬、息継ぎはできるけどそれだけ。
まるで水中で溺れるみたいな効果があるのよ。
上手く被せられればだけど。
だが、そこは修行の成果の見せ所ってもんでしょ。
伊達に写輪眼鍛えてないし、チャクラコントロールだって精度を上げた。
両手にチャクラの膜を素早く張って掴めば…。
ほら、出来た。
「このクソガキどもがぁ!!」
おぉ、ちょうどいい実験台が。
霧を掻き分ける様に、クナイ片手に振りかぶってきた。
滅多矢鱈な攻撃なんか当たるかっての。
二、三攻撃を避けて、かぽっとそいつに嵌め込んだ。
「ぶくぶくぶく…!」
「止めだ!」
溺れてる隙に、股間を思いっきり蹴り上げる。
「がっ…!!」
そいつは悶絶しながらゆっくり倒れていった。
「よっしゃ!一丁上がり!」
「「うげー…。」」
何故か蹴られてない二人が酸っぱい顔で股を隠した。