第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
日が暮れて、ひぐらしが鳴き始める頃になると、村人達がちらほらと戻ってきた。
近くにあった畑からも森からも集落に帰っていき、ならず者達がそれを精査している。
収穫量を確認したり点呼取ったりなどなど。
私達は体勢を低くして見つからないように集落を観察する。
「ああ見ると、村人一人一人の顔を把握してるのかな?」
「そうだろうな。少ない収入源だろうし、最大限毟り取りたいのかもしれない。」
「あ、ほらあそこ。誰か引き摺られてくぜ。」
「他の人は見てるだけか。」
「怖くて縮こまってるのかもな。」
私達は口々に見解を述べていく。
思った事を言葉に出す事で色々確認できるから、下忍の班になってから自然とこういうスタイルを取るようになった。
「あれ?あそこの人、何か点検してる様に見えない?」
私が指差す方を二人が追う。
塀の周りを何か探りながら歩く人が見えた。
「本当だ。」
「やっぱり罠が張ってあるのか?」
「見える範囲の位置を覚えとくといいかもな。」
「あれかな、札系統が埋まってるのかな。」
「そういうの思い込みになるから予想するのやめようぜ。」
「だな。夜になれば分かる。」
「それもそうだね。」
後ろでくすりと笑う音を拾い、私達は振り向く。
すると、スケアさんが可笑しそうにくすくすと笑っていた。
「悪い悪い。お前達の関係がいいなと思ってな。」
それを聞いて、私達は怪訝に思いながらも顔を見合わせた。
別にふざけてたわけでもなく、寧ろ真面目に話してたのにね。どういうこと?
「皆が皆、お前らみたいに気軽にこう思う、ああ思うって意見交換出来ないのさ。」
へぇ…。
それでよくコンビネーションが成立するねぇ。