第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
「さてと、どうしよっか。」
「さっきの女の人の話、変化してみろよ。」
「いいよ。」
いざ、変化の術!
髪は腰より長く、そして真っ黒に。
詰襟の膝下まで長いワンピース。
肌は青白く、真っ白に。
そして、隠してあるけど目は真っ黒に塗りつぶし。
「「…うわ〜…。」」
「どうよ?」
髪を両手で掻き分け、がっと顔を出すと、二人は驚いた様に後ずさった。
木の上じゃなくて良かったね(笑)
「気持ち悪りぃ…。」
「…お前、よくそんなの思いつくな。」
私はボンっと変化を解いた。
前世で見たホラー映画を参考にしました。
「いけるっしょ?」
「一つはこれで決まりだな。」
スケアさんは言い、二人は気味悪そうに頷いた。
「あとはどうする?」
「火の玉とか定番って感じするよな。」
ユウとトウキは話す。
「霧を発生させたりは?」
「あぁ、それいいな。そうすりゃ、エニシのアレがより引き立つんじゃないか?」
霧か…。だったら…。
「それさ、細かい演出出来ないかな?」
「例えば?」
「霧の中だと少し先がよく見えなかったりするじゃん?それを利用して、遠くにいた奴が突然近くにいたり、すぐそこにいた奴が気づくと遠くにいたり…。みたいな瞬間移動的なのが出来ないかなって。」
分身の術とかさ。
「いや、やめた方がいい。」
スケアさんから却下された。
「この場合、単純な方が効果がある。下手に手をかけると返って仕掛けがバレやすくなる。」
ちぇっ。いい考えだと思ったのに。
「じゃあ、まずは霧隠れの術で村全体を霧で覆う。次は?」
「火の玉に見立てた狐火を飛ばす。」
ユウがトウキを見る。
「罠があれば、一斉に分身の術とかで態と引っかかって解除させるとかも効果ありそうだよね。」
「一つずつやるよりは、手間が省けるし派手かもな。」
「頃合いを見て、エニシが変化で女に化けて、ゆっくり中へ浸食していく。」
「まっかせて。」
「で、逃げて行った隙に中の人達を外へ退避。」
「なぁ、忍崩れ達がそのまま戻ってこなかったらどうするんだ?」
ユウの問いに私達はぴたっと止まる。