第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
「何か思いついたな。」
「何する気だ?」
二人とも相変わらず嫌そうな顔するねぇ。
「二人ともさ、怖い話って聞いたことある?幽霊とか妖怪とか。」
「あるにはあるけど…。」
「そんなの大概が作り話だろ?」
ユウとトウキは怪訝そうにする。
「でもさ、本当にあったら怖いと思わない?」
「思うけど…ってそれをやろうってのか?」
ユウは嫌そうに顔を歪めた。
でもさ、そういう話あるじゃん。
ブレーメンの音楽隊。
行き場のない動物達が、音楽隊を結成しようと都を目指している途中に見つけたのが盗賊が住み着いた家。
そこには食べ物もお宝も沢山あって。
それを見た動物達はロバの上に犬、猫、ニワトリが順に乗っかり、一つの化け物に見立てて盗賊たちを脅して追い出す。
って話。
「上手く再現できたら脅かして追い出せるかもよ?名付けてお化けドッキリ大作戦。」
「「しょぼいネーミング。」」
「やかましい。」
でも出来そうじゃない?
期待を込めてスケアさんを見ると、彼は面白そうに笑っていた。
「いいんじゃないか?試してみる価値はあるだろ。」
よっしゃ!
話が分かるじゃん。
「よーし!作戦会議といこうよ!」
「「…はあぁ。」」
二人は疲れたように肩を落とした。