第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
「私は馬鹿じゃありませんー。初対面で失礼だと思いまーす。」
何この人。
まさか、暗部の奴?
前に追い返したからって何か報復されようとしてる?
「こらこら、そんなあからさまにジロジロ見るんじゃないの。別に他意はないさ。下忍を一時的にでも受けたんなら、どういう奴なのか測るのは上忍としたら当然だ。」
そんな模範的な答えいらないのよ。
知りたいのは私に含むところがあるかないかよ。
「そうですか。私前に暗部らしき人と一悶着起こした事があるの。あなたはその関係者ですか?」
「へぇ…。何で暗部だって思ったの?」
「やり方がえげつないし、大人みたいな仕草でした。同年代とは思えない。」
報告書ひったくってバラバラに破く所なんて特にね。
それに写輪眼見ても、すぐに逃げずにその場に留まってた。
及び腰だったけどね。
「…あなたも裏の人独特の雰囲気がある。」
あんたはどうなのさ?
「…写輪眼出しても無駄だよ。そんな脅しには乗らない。」
ちっ。
「安心しなよ。うちは一族だろうがそうじゃなかろうが優遇も冷遇もしないから。」
「…本当に?」
「あぁ、誓ってもいい。」
スケアさんの真意を探ろうと、じっと見るも何も読み取れず…。
はあ…。
私、化かし合いってそもそも苦手だし。
「とりあえず信じます。」
私は写輪眼を引っ込めると、軽くふぅと息を吐く。
スケアさんは、少しだけ笑うと真面目な顔になる。
「さて、お前ならどう出る?」
私なら、ねぇ…。
私はじっと眼下を見下ろす。
「入り口は一つだけ、かな。」
それを低いけど塀で囲ってる。
多分、ならず者達がここにきた時建てたんじゃないかな。
土流壁?高さがまちまちで不恰好。
ま、ともかく。
「ならず者達が塀を建てたんなら、確実にその周りに罠が張ってありますよね。」
騒がしくなるから、正面衝突は避けられない。
どうせだったらこっそり入りたいよね。