第2章 辛い過去
そのまま夕方まで適当に時間を潰し、家に帰る途中にふと、自分の細い腕が視界に入った。
今までは気にしたことも無かったが、随分と痩せているようだった。
よく見ると腕だけではない。手も、足も、首も同じだった。
我知れず笑いが零れた。
ああ、酷いなぁ、と。
赤く染まった陽が世界をオレンジ色に塗りつぶしていた。
夕方になっても止まない人々の笑い声や話し声、喧騒はかえってボクに孤独を感じさせた。
他の人々から遮断された世界。独りだけ取り残された世界。
そこには何もなくて。誰も、何も助けてはくれなくて。
体じゅうの痣だけがボクに嗤いかけていた。
腕や足に蠢くようにも見える痣。それだけがボクの存在を主張するようだった。
そんなボクの思考を気にする筈もなく、人々の喧騒は尚も続いていた。そんな喧騒に飲み込まれるように、ボクは家に向かってひたすら歩く。
昨夜、お母さんに殴られた頬がズキリと痛んだ。