• テキストサイズ

【東京卍リベンジャーズ】One Heart

第7章 総長と参謀


「これから芭流覇羅と戦うのに、参番隊を隊長不在の不安定な状態のまま置いておけないでしょ」


「ペーの奴が居んだろが」


「ペーやんに任せる事も考えたけど、隊員の中に反対する奴が居たんじゃ内部から瓦解する危険性がある」


ペーやん自身、まだ負い目を抱えてるみたいだし……


「まだ、ペーやんに任せる事は出来ない。……だから、今の参番隊の隊員は壱・弐・肆番隊に振り分けて、稀咲を隊長にした新しい参番隊を作る」


「稀咲を入れりゃ、芭流覇羅に勝てるって言いてえのか?」


「50人の隊員が加われば、芭流覇羅と3倍も開いた戦力差が2倍に縮まる!……利用しない手はないでしょ?」


場地は、アタシの話に不快そうに表情を歪める。


「……向こうは利用じゃ済まねえぞ」


「圭介は稀咲を疑ってンのね。アタシだって最初は不審に思ったし、アンタの気持ちはわからなくもないけど」


アタシは、肩にある場地の腕に触れ、ギュッと力を込めて握った。


「仮に……稀咲が何か企んでて、東卍を利用しようとしてるんだとしても、別にいい」


「!」


「少なくとも今は敵じゃないなら、稀咲がホントに仲間になるかどうか、見極めんのは芭流覇羅と決着(ケリ)付けた後でいい」


稀咲は東卍に拘ってるみたいだけど、それは多分敵対する意味ではないんだと思う……稀咲の目的が東卍を潰す事なら、芭流覇羅と手を組めば良い話だから。


「目的が何であれ、稀咲はアタシ達の信用を得る為に、東卍の戦勝に貢献してくれると思う」


「………」


「圭介……アンタも隊長なら、大局見据えて考えて」


キッと、アタシは強く場地の目を見つめる。


「今重要なのは、芭流覇羅に勝つ事、半間を潰す事……そして、一虎を止める事」


アタシを睨む場地の瞳が、微かに揺れた。


「その為にアタシは、稀咲を受け入れるって決めたの」


アタシは、場地から視線を外し、三ツ谷達の方へ目を向ける。


「稀咲を信用するのが難しいのは分かってる。でも納得はしてもらう!東卍はこれ以上、二の足を踏むワケにはいかないから」


この場の空気が、シンと静まり返る。


心臓が嫌な音を立てる……アタシは、ぐっと詰まる息を飲み込んだ。


/ 277ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp