第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎
皆と別れ
制服姿のレイナをバイクの後ろに乗せてエンジンをかける
火葬場から彼女の自宅までは、30分位の距離だったけれど
アッという間に着いてしまったように感じた
謝るどころか何も言葉を交わせないまま
レイナの家のすぐ近くまで来た時
信号が赤に変わって、俺はブレーキをかけた
(……この信号を右折した所で…レイナをおろさなきゃいけない…)
別れ際
彼女になんて言えばいいのだろうと考えていた時
腰に抱き付くレイナの手に
微かに力が入ったような気がした
「……………レイナ……」
『……』
「……………………ウチ……寄ってくか?」
レイナは
何も答えなかった
けれど
巻き付いた腕にギュッと力が込められたのが分かった
それを彼女の返事だと受けとった俺は
青に変わった信号を直進して自宅へと向かった