第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎
庭に単車を停め
小柄な身体を抱き上げて地面におろす
メットを外して顔を覗き込むと
レイナが静かに見つめ返してくる
彼女の潤んだ瞳が
俺に何かを訴えかけているような気がした
「……」
そのまま手を引いて自分の部屋へ連れていき
ドアが閉まると同時に唇を塞いだ
水音を立てながら何度も啄む
レイナは抵抗する様子も無く
されるがまま目を閉じていた
彼女の腰を引き寄せ
後頭部を支えながら唇の隙間に舌を差し込んで口腔を犯す
ピチャピチャという音に混じって微かな吐息が聞こえ始めた時
俺はそっと唇を離した
『………ハァ…………ハァ………』
レイナは
口元を唾液で汚したまま頬を紅潮させていた
「………オマエ………いいのかよ…」
『……………ウン…』
「……」
この間、あんな事をされたばかりの相手に
縋るような眼差しを向ける彼女の気持ちが
俺には上手く理解できなかった
(……好きだった場地を失って……きっと、淋しいんだろう…)
そんな理由で自分を納得させ
彼女の身体を抱き上げてベッドへと運ぶ
(………別に…アイツの代わりだっていい…………オマエの淋しさを埋められるなら……いくらでもオレが慰めてやる…)
横たえたレイナを見下ろし
そっと額に口付ける
俺の心の中は
不思議なくらいに静かだった