第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎
レイナが出て行った途端
この部屋は
重苦しいほどの静けさに包まれた
自分本位な征服欲をただ満たしたくて
どうしても
レイナを自分のモノにしたくて
強引に彼女を抱いてしまった
思いやりのカケラもない、身勝手な行為
レイナが処女だったなんて
考えていなかった
自分の知らないところで、彼女が場地とずっと会っていたと聞き
2人はそういう関係まで進んでいるのだと
勝手に思い込んでしまった
あの時
頭の隅に芽生えた、ドス黒い感情
渦を巻きながら広がっていくソレに抗うと同時に
泣いている所を見られたくなくて
レイナを遠ざけようとしたのに
そんな俺を
彼女は守るように抱きしめた
" 泣きたい時は、素直に泣いていいんだよ "
" 大丈夫……私がちゃんとなぐさめてあげるから "
優しい声が
閉ざしていた心に染み込んでいく
もう2度と得ることはないと諦めたまま
いつしか忘れていた安らぎ
懐かしい温もりに
救いを求めるように唇を重ねた
泣きながら
何度もキスを繰り返して
" ……コイツなら…全てを受け入れてくれるかもしれない… "
そんな事を思った直後
俺は
自分を抑えられなくなった