第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎
『……違…う………違うよ…』
「違わねーよ。…………一虎が兄貴を殺したのだって…元はと言えばオレのせいなんだろ?」
『………どうして……そうなるの…』
「…アイツらがバイク盗もうとしたのは…オレの誕生日にプレゼントする為だった………" 一虎はマイキーを喜ばせたかったんだ " って…オレに言ってきたのは場地だぞ…」
『……そ…んな…』
「…あの時から…もう決まってたんだよ……オレと一虎が殺し合うことになるって。…………オレらがまともにやり合ったら、殺されるのは一虎の方だ……オレは殺す方。………場地には…そこまで全部見えてた………だからアイツは…オレが一虎を殺すのを止めようとして……それで自分を…っ…」
強く握りしめた拳が
ギリギリと音を立てた
「……………なんでオレはいつも…周りの奴らを不幸にしちまうんだろうな…」
『……万次郎…』
レイナは優しい声で名前を呼ぶと
俺の拳の上に、小さな手をそっと重ねた
「……オレを責めないのか?……恨まないのかよ…………こんな事になったのは…全部、オレのせいなのに…」
『…恨んだりする訳ないでしょ?……全部が万次郎のせいなんかじゃない……………真一郎君のことも…万次郎は何も悪くないよ………圭介がそんなつもりで言ったんじゃないって…本当はちゃんと分かってるんでしょ…?』
「……」
『……もうこれ以上…自分で自分を責めないで………そんな風に…何もかも背負い込まないでよ…』
俯いた白い頬に
透明な雫が伝う
彼女の涙を見たのは初めてだった
「……っ…」
(……オマエは……オレの為に泣いてくれんのか…)
重ねられた手からあたたかな体温が伝わってきて
胸の奥がグッと苦しくなる