第35章 クリスマスとポリジュース薬
「……まぁ、悪くはないんじゃないか?」
誰にも聞かれてなかったと思う。クラッブもゴイルも、目の前のローストに夢中だし。グローヴァーにはもちろん話しかけてない。こっちを見てすらいなかった。
----何を考えているんだ、僕は。
別に、だからって何だってわけじゃない。気のせいだ。ちょっと雰囲気が違っただけ。服が変わったからって、何か変わるわけでもない。
そういうことにしておいた。
あいつのことなんて、どうでもいい。見た目がちょっと変わったからって、それで何かが変わるわけがない。
ただ----なんか、落ち着かない。
別に、それが何かなんて、考える意味もない。
もう一度だけ、グリフィンドールの方をちらっと見た。グローヴァーはちょうどポッターと話していて、何かに笑ってた。髪をきっちり束ねているせいで、うなじの線がはっきりしていて----。
……っ、くだらない。
僕はわざとナイフを皿に当てて、金属音を鳴らした。クラッブとゴイルが一瞬こっちを見たけど、何も言わずにまた食事に戻った。