第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
ハロウィンのお祭りムードは冷めないまま、全員思い思いに自由に過ごし始めた
音楽に合わせて踊る者、料理やお菓子に舌鼓を打つ者、本来の専売特許である脅かしを披露する者
そんな楽しげな雰囲気の一つ一つをスカリーは噛みしめるように見回っていると、町の入口付近で佇むの背中を見つけた
スカリー『あれは、さん?』
先程までみんなに混じって楽しんでいたはずなのに、その輪から外れ町の外の方を見つめたまま動こうとしない様子に不思議に思い、そっと近づいていく
するとそれよりも先に気づいたユウがの隣に来てトントンと肩を叩いた
『ユウ..』
ユウ『どうしたの?みんなのとこにいなかったし、ずっと外見てるから気になったんだけど』
『.....月』
ユウ『月?ああ、ここの月ってずっと満月だよね』
『見に行きたいの』
ユウ『今から?』
『ん。だって、このハロウィンが終わったら、もう見れなくなっちゃうでしょ?だから、最後にちゃんと見たかったの。あんなにおっきくて丸くて綺麗な月、多分この世界じゃないと見れないから』
ユウ『..そうだね。じゃあ、一緒に見に..』
グリム『にゃっはーっ!このお菓子はオレ様のものなんだゾ!』
ショック『はあ?何言ってんの?あたしたちが先に手を付けようとしたんだからね!』
ロック『そうだそうだ!』
バレル『さっさとそれを寄越せー!』
グリム『やーなこった、へへーんだ!』
残り少ない種類のお菓子を巡って、突然グリムと悪ガキ3人組の追いかけっこが始まり、その場にいた面々を巻き込みだした
ジャック『おい、グリム!それにお前たちも!暴れるなら向こうでやれ!』
ヴィル『ちょっと。あたしたちに向かって物を投げないでちょうだい!顔に当たったらどうするつもりなの?』
町長『ああ、みんな大人しくしてくれ〜!』
セベク『おい、ユウ!オンボロ寮の監督生としてなんとかしろ!』
ユウ『げっ..もう、こんな時に問題起こさないでよ。ごめん、。月を見に行くのはちょっと待ってて。あれなんとかしてから..』
スカリー『では、我輩が付き添いとして共に行きましょう』