第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
スカリー『もしや庇ってくださるのですか?ああなんとお優しく素敵な方々..!ですが、我輩が悪いのです。この懺悔の気持ちを行動で示させてくださいませ』
チュ
『んぅ..んふふ』
ここに来てからもう何度目かの頬へのキスを受け、は嬉しそうにクスクス笑う。そんな笑顔にスカリーの口元にも笑みが溢れる
グリム『うわっ、スカリーのやつ、またやってんだゾ..』
スカリー『ユウさんにも、』
ユウ『したら殴る』
スカリー『残念です。さて、グリムさんは、我輩が抱えて差し上げます、こんなことではお詫びにもならないかもしれませんが..我輩がどこへでも付き従い、グリムさんの手となり足となり働きましょう』
グリム『邪魔くせえからいらねーんだゾ。そんなことよりなんか物で示せ、物で!』
抱き上げようとするスカリーの手をシッシッと払っていると、離れていたところから話を聞いていたセベクがこちらへと近づいてきた
セベク『おい、スカリー。グリムとユウやに詫びるというのなら、僕にも言うべきことがあるのではないか?』
スカリー『ええ、ええ。貴方様には本当に、本当に深謝するばかりでございます。我輩は、いつも揺らがぬ強い貴方様に惹かれ、同時にとても憎かった..己が心にも気づかなかった我輩の愚かさを、どうぞ如何様にも笑ってくださいませ..
そうして出来れば..いつかは、許してほしいな』
セベク『いいぞ、人間。許してやろう』
グリム『えっ!?セベクがすげー優しい!?』
『セベクはいつも優しいよ?』
グリム『んなわけねーんだゾ。お前..もしかして偽物か..!?』
セベク『失礼だな、魔獣。ここで許してやらねば、僕の度量を疑われるというものだ。だってスカリーは、僕のことが羨ましくて仕方がないのだろう?貴様ほど根性のある男に嫉妬されるというのは、悪い気分ではない』
スカリー『ふっ..ふふふ..そうですね。素敵な貴方!どうぞこれからもよろしくお願いいたします』
嬉しそうに顔をほころばせながら、手の甲へのキスを贈ると、"それは許すとは言っていない!!!"と大音量の叫びが広場に響いた