第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
トレイ『ユウも肝が据わってるよなあ。も攫われたことに関しては何も気にしてなかったし、こっちはすごく心配したんだぞ?』
イデア『ジャ、ジャック氏を起こすのにも、ありえんぐらい苦労したんだが..』
ジャック『いやあ、ぐっすり眠れたよ。おかげで今は頭の中はすごくクリアだ。すっきりしてる!』
ジャミル『骸骨だから、中身がクリアなのは当然なのでは..』
レオナ『キリがないからもういちいちツッコむな』
スカリー『....』
全員無事に合流できたことで、目の前でワイワイと話が盛り上がる光景に、スカリーはセベクと対峙し、彼の手助けに入ってきたレオナたちを見て抱いた思いに再び胸が苦しみだした
憧れる相手がいて、助けてくれる友がいて、大勢の仲間がいる
自分には憧れていたはずの理想(ジャック)はなくなり、心から愛しているハロウィンは誰にも理解されない
孤独に苛まれていた日々に追い打ちをかけるように、この町での出来事がスカリーを狂行に走らせた
もうだめだ、と俯くスカリーの手に小さな手が添えられる。ゆっくりと隣を見上げると、目の前の談話に参加せずこちらをじっと見つめると目が合う
その真剣な眼差しに、ようやくあの時言われたことの真意に気づいた
スカリー『(ああ、そう..そうだったんだ。さんは、それを我輩に伝えようとしてくれたのに..)』
『カボチャさん..』
スカリー『...はい』
『大丈夫。カボチャさんは一人にならないよ』
スカリー『でも、我輩は..』
『私のこと、一人にしないんでしょ』
スカリー『!!』
『それに..ガイコツさんのお話しちゃんと聞いて。カボチャさんが思ってるより、優しくてちょっと変わってるから』
スカリー『それはどういう..?』
ジャック『さて、スカリーくん』
スカリー『!』
いつの間にか目の前に来ていたジャックに思わず背筋が伸び、憧れの相手にしてしまったことに今更ダラダラと冷や汗が垂れ始める
ジャック『みんなから聞いたよ。自分の望むハロウィンを実現するために、僕を攫ったんだって?』