第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
『『『......』』』
スカリー『..我輩は間違ってたのかな。このやり方じゃ駄目だったのかな。
もう、ジャック様に..うっ、うぐ..嫌われちゃったかなあ..!』
小さな雫はやがて集まり大きな粒へと変わり、ポタポタといくつものシミを灰色の地面に作る。あれだけ大きかった背丈は震え縮こまり、この中の誰よりも小さく脆い人間に見えた
セベク『ふん。そんなの僕が知ったことか。知りたいのならば、本人に聞け!』
スカリー『..えっ?』
ジャック『話は聞いていたよ』
セベクの視線の先。そこにはゼロとユウたちを引き連れ、その長い骨足でこちらへ向かってくるジャックの姿があった
スカリー『ジャ、ジャ..ジャック様!?』
ゼロ『ワンワン!』
『ワンちゃん!んぅぅ..くすぐったい』
ジャックの横をすり抜け頬を舐めてくるゼロに笑みが溢れると、その首に黒い布が巻かれていて、そこには満月の刺繍が施されていた
『あっ、これ私のハンカチ。やっぱり気づいてくれたんだ。持ってきてくれてありがと』
グリム『ふなあ..びっくりしたんだゾ。雷がピカってなって光がバシュってなって、オレ様ふなーってなったんだゾ』
ユウ『ずっと暗かったから、いきなり光ってマジで目がイカれたかと思った。も勝手に走って行っちゃうし、心配したんだからね』
『ごめん』
ジャミル『無事に救出できたみたいだな』
リドル『君がロック達を連れていく間に、ボクたちで攫われた人達を助け出す..そういう計画だったけれど、これが想像以上に大変でね』
ジャミル『大変?何がだ』
ジェイド『スカリーくんが用意したお菓子を食べ尽くすまでバスタブから出ない、とグリムくんが主張しまして..』
グリム『だってスカリーが"これでも食べてごゆるりとお寛ぎください"って言ってたんだゾ。せっかく用意されたもんを残すのは悪いからな。はあ..食った食った』
ジェイド『発見時は、大変優雅にくつろいでいらっしゃいましたね』
ユウ『まあ、なんやかんや何もされなかったし、ただもてなしを受けたって感じでした』