第17章 この話はもう終わり《後編》◉山田ひざし※
膝を曲げた白いシーツの上、後ろから回された腕が愛おしそうに私の脚を撫でる
鏡になった枕元の壁越しにグリーンの瞳が私をじっと見つめると、身体が燃えるように熱を持った
「や、ぁ、こんな・・っ」
「だーめ、ちゃんと見てよ、オレで合ってる?」
恥ずかしさに頷くとそれを許さないように強くなった腕の力、露わになった背中に口付けながら、彼の指は私の下着の中へ伸ばされる
「あ、んぁあっ、」
「ぜーんぶ映っちまうなァ」
アイツとシたいと思ってた?、苛立ったような声が耳に響いて、私は必死に涙を堪えて首を振ると口付けを強請った
「相、澤せんせじゃなくて・・っ、」
「あんなに好き好き言ってたのに?」
「もうっ、いじわるしないで下さい・・っ」
潤んだ目が俺を睨むと、どう足掻いても意識せざるを得ない自身の熱、余りの余裕の無さに浅い息が漏れる
「んじゃ、オレとシよっか」
なんて、わざと戯けて見せればほっとしたように流れたひとすじの涙、その細い腕がゆるくオレの首に絡んだ
「マイク先生が、すき、」
「・・可愛いその声で聞きてェな、」
オレの名前、
すぐにでも果ててしまいそうになるのを必死で堪えて、彼女のイイ所を執拗に突くと甘い甘い声がオレを捕まえて離さない
「はぁっ、ん、ひざし、さん・・っ」
「っは、ここ気持ちい?」
「よすぎて・・っ、おかしく、なりそ、う」
想像の何倍も甘いその姿が脳を狂わせていく、
アイツがこれを味わったかもしれないと、どす黒い感情がまた腹の底に渦巻いて
「なぁめぐちゃん、なんでアイツとホテルに居た?」
「だから・・!危ないところを助けてもら・・っ」
「あー、気に食わねェ」
尋問するような口ぶり、我ながら乾いた声が鼓膜を揺らす
「あのままアイツの部屋行ったんじゃねェの」
「・・!アパートの前まで送ってくれただけで・・っ」
「立てねェほど酔ってたろ、憶えてねェこともあるかもな」
じわりと滲む汗、這わせた手が柔い肌を滑ると彼女が唇を噛み締めて
息の漏れる音があまりにも妖艶で、止まらない熱が二人を繋げる
「だ、だ・・誰のせいで・・!」
小さく呟かれた声が耳に届くと、枕を掴んでいた白い手が思い切りオレの両頬を抓った