第14章 お決まりでしょうか◉爆豪END
「落ち着いたかよ」
ほわほわと湯気を上げる紅茶、肩に掛かるブランケットの上から回された腕はこの一時間ずっと私を暖めていた
「ありがとう、ごめんね」
「ッたく埋め合わせはあンだろうな、あ゛?」
脚を組んだ彼がぐい、と私を引き寄せると頭を押さえつけた手、噛み付くような口付けに私の呼吸が止まる
「・・していいって言ってな、い・・っ」
「ッせぇ!これ以上待てるわけねェだろが!」
啄むように繰り返される口付けに身体が火照る
酸素を求めて開いた隙間に熱い舌が滑り込んで、呼吸ごと奪われると頭がくらくらした
「・・部屋行くぞ」
「え・・っ、あ、うん・・」
「これで終わりなわけねェだろ」
「やっぱり、恥ずかしい、かも・・!」
「聞こえねェよ」
彼の匂いに包まれるシーツの上、目元を赤く染めた爆豪くんが真っ直ぐに私を見下ろしている
いやらしく脚を這う指がスカートの中に潜ると、恥ずかしさで視界が滲んだ
「んぁ・・っ」
「アイツにすんなり脚触らせてんじゃねェよボケが」
怒りを隠さずに顰められた眉、戻れない確信と甘い期待に胸を震わせながら、私はその頬に手を伸ばした
「かっ・・ちゃん、」
「かっちゃんやめろ、チラつく」
よりによってアイツが同僚かよ、思いきり顔を歪ませた彼の手が私の素肌を暴いていく
「・・早よ、勝己って言えや」
耳元で囁かれる掠れた声に一瞬で疼いた身体、短いこの夜が恨めしい
シーツに押し付けられた手にはゆっくりと指が絡んで、彼の瞳にじっと見つめられるとどんな言葉も意味を持たなくなってしまいそうだ
「朝、起き上がれたら褒めてやるよ」
「ひ」
「無断欠勤になっちまうかもなァ」
クビになったら雇ってやるからよ、楽しげに口角を上げた彼が首筋に所有の印を咲かせていく
「勝己・・っ、我慢、してる・・っ?」
強気な予告とはまるで異なり、繋がった身体は甘く溶け合うと、体温が交わるような深い律動がベッドを軋ませた
「るせぇ、一回泣かれてンだよ」
「私だけ、ゃだぁ、またきちゃう・・っ」
噛み付くような激しい口付けとは裏腹にその行為はどこまでも私を甘やかして、何度も訪れる快感に声を枯らしていく
「・・尽くし殺したるって、言ったろ」
マジでクッソ好きだわ、汗ばんだ彼が幸せそうにそう呟いて、私は意識を手放した