• テキストサイズ

赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第2章 お出かけ






巳早が白雪の後ろから手を伸ばし、マッチの火を指で消した。



「どのみち、この山で俺の足には勝てねぇよ」



片手に松明を持った巳早は、そのまま白雪の首に腕を回した。



「さっきの薬…

大して効かねぇもんだったみたいだしな」


「白雪を離して」


「おっと…
じゃあ、あんたが代わるかい?」


「…いいよ」


「あかねさん!?」


「そうか…こいよ」




巳早は近寄ってきたあかねを確認して素早く腕を取り、白雪を地面に押して転ばせた。


「いたっ…

あなた…薬が効かないって言っても
すぐに階段も昇れたの?」



「いや?

必要ねーよ」



そう言った巳早は、鍵を白雪の前に出し



「俺は1階の扉の鍵…

持ってるからね」



「!

........っ」



「さて…」


グイッ


「ちょっ…」


巳早はあかねを壁に押さえつけ、顔を近づけた。
そして、松明の火を顔の横に持っていき、白雪の方を見た。


「お嬢さん、
逃げたらこっちの人が火傷しちゃうよ?」


「あかねさん!」


「ーーあんたさ

今ここで逃げたって
また別の奴に狙われるかもよ」


「え…?」



「貴族やら
王族やら

自分を差し出せば安全だろ
守られながら贅沢もできる

こっちのお前も、それだけの美貌があれば
何不自由なく生活できる道がある


うまい使い道だと思わねぇか?
お二人さん」



そういう巳早に、

「私は

そんな道には興味無い」



「そうだね
そんな人生、つまんないよ」



「........!

だから
俺が連れてくんだよ」



ザッ…!


/ 256ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp