第2章 お出かけ
(逃げなきゃー…
女2人は流石に不利…助けを呼ばないと!)
白雪は、あかねと話すために背を向けた巳早から距離をとりながら、チャンスを伺った。
「まーでも」
巳早はそんな白雪の思惑を察知したのか、
白雪の方を向き、再び距離を詰めてきた。
「もっと長く伸びるまで待つのもありかな」
グイッ…
「それまではこっちの美人さんと一緒に
傍に置いておくってのも悪くねぇし」
白雪の顔に近づき…
「なぁ?
赤髪」
ガンッ!
「いいえ!」
「うぉ?!」
白雪は巳早が乗っていた箱を蹴り、巳早はバランスを崩した。
「あかねさん、早く!!」
「白雪!」
「こっの…
逃がすか!」
ガッ…
巳早は素早く白雪の足元に自分の足を入れて、白雪を転ばせた。
ベジッ
ゴンッ…
「ふん
言っとくけど
ここは山ん中だぜ、赤髪
あんたら女二人で
逃げられると思うわけ」
壁に寄りかかりながら、巳早は見下すように白雪を見て
「俺としても丁重に扱いたいんだけど
大人しくしててよ」
パラッ…
今まで暴れたおかげで、抵抗されたあかねより緩く結ばれていたであろう白雪の拘束が外れた。