• テキストサイズ

Smile Bouquet

第8章 大切で残酷な暖かい過去




ステラ
「ありがとうございます、お嬢様…」

レティシア
「ステラ…ずっと一緒に、居てくれた」

ユリス
「お前はステラさんの事、好きか?」

レティシア
「……好き」

ステラ
「お嬢様…、私は…そんなお言葉を頂ける様な事…」

エドゥアル
「この子の表情、全く動かなかったんですよ。…でも、貴女に会った時に少しだけ嬉しそうに見えたんです。それって凄い事だと僕は思いますよ。だから、受け取ってあげたらどうですか?」


エドゥアルの言葉にステラはハンカチで涙を拭ってから小さく頷いて見せたが、その表情は暗い


ユリス
「何か後悔する事でもあったんですか?」

ステラ
「…実は…」


ステラはクラリスを部屋に招いた事、食事を取りに行っている最中にレティシアが暴力を振るわれていた事、結局少女のせいになってしまった事…その全てを2人へ語った


ステラ
「その翌日に私は屋敷を去る様に告げられました。…それからずっと…お嬢様の事が心配で」


ずっと自分を責め続けているステラの涙を見ながらユリスとエドゥアルはかける言葉を探したが、それよりも先にレティシアがステラに声を掛けていた


レティシア
「…ステラ、ずっと傍に居てくれた…嬉し、かった。…ありがとう、だから…泣かないで」


少女なりに彼女が自分を責めているのだと理解し必死に励まそうとする姿にステラは溢れる涙が止まらなくなってしまう


ステラ
「ありがとう、ございます…っ…お嬢様…。ユリスさん、エドゥアルさん…お嬢様は私が居る時は笑顔があったんです。こんなに…無表情ではありませんでした。……もしかして、奥様の暴力は…」

ユリス
「続いてたみたいですよ。…俺が見付けた時こいつは裸足で、唇も切れてて身体中に痣が広がってました。フォンテーヌから逃げてきたんですよ」

ステラ
「そんな…っ」


保護された時の様子を聞いたステラは両手で口を覆い顔を青くする。



/ 398ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp