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僕と彼女の共同戦線

第15章 予感と奇跡


******

「いーー爆発!?なんでなん……!?」

爆発の様子を見ようと、司が立ち去ろうとする。
その瞬間を狙いーー

ギュルォオオオオ!!!

「「!!?」」

突然未来に管槍が迫りーー

カンッッ!!!!

間一髪の所を葵の管槍が遮る。

「…また君ですか」氷月の冷えた眼差しが、葵の目を射抜く。

「そうだよ。本っ当、氷月はロクな事考えないんだから…っ!」
「邪魔です」カンッ!と管槍で葵の身体を殴りつけ、川へ突き落とす。

「……ッ!司!逃げて!!」
落下しながら叫ぶ。落下する葵に慌てて手を伸ばした未来をーーー

氷月の管槍が、狙っていた。

「葵!!!」羽京が川に落ちて行く葵の名を叫ぶ。

ーー止めてくれ!!止めて、くれ……!!


「二人ともソイツから離れろ!!」千空が叫ぶが、時既に遅し。


ーー司の胸を、氷月の管槍が貫いていた。

「……霊長類最強の高校生を消す事は不可能でした。司クン、君に護る者さえ居なければね」
そう言ってにっこりと笑い、氷月がマスクの下を見せた。
ーー禍々しい、まるで魔法陣か何かの様な、独特なヒビの文様。


落ちかけた司の手を千空が握るが、氷月が二人を川に突き落とす。
ーーそして氷月自らも、川に飛び込んだ。

「兄さん……!!」
未来の悲鳴が響いた。
「くっ……!!探そう!みんな…!!」
羽京の一声で、一同揃って川下を探しに行く。

ーーどうか、無事で居てくれ…!!
また君の『生きてる』姿が見たいんだ…
お願いだ……!!

羽京は心の中で叫んだ。

******

「司クンは胸を貫きました。致命傷です、助かりませんよ」
そう淡々と、川下で辿り着いた場所で、ビショ濡れのまま氷月が言う。

「邪魔な司クンを始末した後でーーー


千空クン、君と二人きりで話がしたかった」

「ほーん?こちとら話すこたァ1mmもねぇなあ」
千空は余裕ぶった振りをするが、正直内心では冷や汗だった。

がーーーーー

氷月の背後の茂みに、少し見える槍先。キラリと光るそれが、僅かに揺れては、手がヒョイッと出てきて、グッと親指を突き立てて大丈夫!とサインを送る。



あー、先に落ちてた葵だな。
川の流れが同じだから、氷月や俺らよりも先に辿り着いていたのか。
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