第14章 おかえり、未来
「あーそこのバカップル!!イチャついてねえでとっとと作業しろ!!」千空が掘った穴の上から言う。
「えっと…はーい?」「バカップルじゃないです!!」ブーブー抗議する葵。
「あーそうだな…軍師。お前手先器用なんだろ?石像パズル手伝ってたし、杠が手芸経験者つってたが」「?はい、まあ」不思議そうに葵が頷く。
くい、と千空が親指で後方を指す。
「向こうにうーーっかりダイナマイトで壊した石像があっからお前そっち異動な」
「ええーー!!あの鬼パズル!?鬼!!悪魔!!」
「…軍師。お前罵倒のレパートリーねぇな…」
かつて羽京がした指摘をされつつ、ううーと言いながら、彼女は作業中は脇に置いていた管槍を持って行く。
「……そういえば、なんで管槍持ってるんだろ」
羽京がふと疑問に思う。別に戦う訳でもなし。
「あーアタシも聞いたけど、護身用とか御守りとか言ってたけど?」同じ場所で作業していたニッキーが答える。
「護身用って…何から守るんだろうね」
「さーね。軍師の考える事なんざ、アタシ達には分からないさ。でも軍師なりにイヤな予感があるんじゃ無いのかい?……ここでなんか起こる、ってさ」
軍師のイヤな予感。出来れば当たらないで欲しいな、という羽京の願いはーー無惨に打ち砕かれる事になる。