第14章 おかえり、未来
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ガツッ、ガツッ。
司がひたすらに掘っていくと、一つの石像にコンっ、と当たる。
「………!!!」
心の中でその名を呼んだ。
ーー未来………!!!
夜になった。いよいよ、未来の石像に復活液をかける。ピシッピシシイッ…とどんどん石像の表面が割れる。杠が未来の為に祈る。
「石化が解ける時に、未来ちゃんの中身まで治してくれたらーー!!」
「ククク、そもそも復活液が数千年脳死みてぇな人間叩き起すようなモンじゃねえか!だったら、同じ脳の一つや二つくらいーー!!」
パキィンッ!!!
石像が完全に割れる。未来がーー瞳を開けた。
「………ここ、どこ?わたし…」
「未来…………!!!」
司を見て、昔の面影と重ねた未来が、名前を呼ぶ。
「兄、さん……?…いしし、よー老けてもたね。
でもシュッとしてるわ~
私…何年、寝とったんかな……?」
司はギュッ、と未来を抱き締めた。
「6年ーーーーいや、数千年だよ。未来ーーー」
やっと、心から言える。
《おかえり、未来。》