第14章 おかえり、未来
「ルールや常識は、壊す為にあるんです。
壊した先に希望があるんです。人は救われるんです。だから、私なら前提をーー
私の代で無くてもいいから、いつか先でもいいから。未来を変えてくれる人材を選びます。
選んだ人にも、選別の罪を背負って貰います。1人じゃ無理でも、少しでも多ければ希望は多いですから。それでーー
ーーいつかは、世界人類70億人、もれなく全員復活させます。その為に、今。未来へ1つ1つ、
楔を打つんです。未来へ、次の世代へ。
バトンを繋ぐんです。地道に、1歩ずつ。みんなで。
ーー世界は、最初から変える為にありますから」
そう言ってとびきり綺麗な笑顔で笑う葵。
白銀の髪が、キラキラと光に反射して、右手の海へと緩やかに風にのって流れる。
(…………ああ……綺麗だ)
正直、その場の雰囲気を壊す為かと思ってた。…でも、違った。彼女なりの、筋の通った答え。壊す為ではなく、救う為。そして……
きっと、誰も選べない自分をも救う為の答え。
ありがとう。葵。そう想いを込めてじーっと見る。
「…未来への、希望、か」司が呟く。
「そういう視点は無かったな…。うん、君らしくていいと思うよ」ふわ、と司が笑った。
そーですか~?フツーの一般ピープルの視点ですけど~と葵が首をくいっ、と捻る。
「ククク、さっきの問いにソッコーで答えるたァ、流石は天才軍師サマか」
「まあ先祖がガチめな戦国時代の知将なので~」
さすがだな~!道理で!!と一同が笑う。