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僕と彼女の共同戦線

第8章 繋ぐバトン


「皆さん、おはようございます~」

「アオさん!!朝早くからお疲れ様です!」
「お疲れなのは、皆さんの方ですよ~。…ほら、まだ寒いとはいえずっと立ちっぱですし…」
え!?いやそんな…!と謙遜する監視員達。

「…良ければ、汗でもお吹きしましょうか…?」
スッ、と懐から葵が布巾を出す。

「「「「!!!お願いします!!」」」」

喜びながら監視員達は葵に汗を拭ってもらっている。…葵は男ばかりの司帝国に珍しい、数少ない女性。しかもとびきりの美少女だ。
そんな子に汗を拭ってもらえる…となれば喜ぶだろう。

一通り拭い終えると、つかつかとクロムの牢屋に葵が立ち寄る。

ーー汗を拭ってる時の葵の動きのおかげで、再度トラップの位置を把握出来た。しかもまさかとは思うがーー

「…………」無言でそっ、と彼女が布巾を置く。

「………!!!葵、まさか……」
しーっ、と彼女が指を口元にあてる。

そしてこれだけ呟いた。
「……クロム君。繋ぐんだ、君が。みんなに。
ーー未来への、バトンを」

「……おう。言われなくともそうするぜ」
葵の静かな激励に、クロムはニッと笑ってみせた。
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