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僕と彼女の声帯心理戦争

第8章 【第2章】 天下三分の計


「そういうのやめよっか…?」
「うーんとね~具体的には司君との橋渡しですな!!」
「聞こうね、話。」
「失礼な~。聞いた上でスルーしてるんですよ~」
ブーブーといつもの様に拗ねる。

「それを聞いてないって言うんだよ…?」おいたの過ぎた子供を諌める様に、つん、とほっぺをつつく。
「むー。何するんですか」「君が悪い子だからね」そう言いながらほっぺをむにっ、とつまむ。

「ひゃ~~!!」横に少し伸ばすと、葵が叫ぶ。せっかくの美貌が台無しだ。

「……で、今後何やらかすの?具体的に教えてもらおっか。僕は君のプロデューサーなんでしょ?」
ゴゴゴゴゴ……という雷雲の様な雰囲気を醸しつつ聞いてくる羽京。

おぅふ…分かりますた言います言います…と勘弁した彼女に、頬を摘む手を離す。

「……ハッキリ言いますと……『天下三分の計』をやります」
ベッドから起き上がり、葵がそう高らかに宣言した。

「……三国志だね。諸葛亮孔明だったかな」
「はい~、よくご存知で。今の勢力図的には~」

そう言いつつ、彼女がベッドの下から何か箱をドスッ、と出す。そこには少し分厚い板と……チェスの駒のような物が複数、そして囲碁に使う碁石の様な黒と白、グレーに塗り分けられた石ころがあった。

「まさかとは思うけど、これって……」

海に潜り続けている海上自衛官の特性上、電波が届かない環境でも出来るアナログゲームは嗜んでいる。…ここまでオセロなのか囲碁なのかチェスなのか訳の分からないぐちゃぐちゃなのはやらないが。

「司帝国内勢力図~~!!!」
「そんな某ネコ型ロボットの声で言われても…」
正直、実感が無い。このぐちゃぐちゃが彼女にはどう見えてるのだろう?

「んーと、とりまキングから出しましょうか。箱の中をゴソゴソとすると、今度は分かりやすい王冠の上に十字架の付いたいかにもなチェスの駒を出す。

「まさか、それ自分で作ったの?」
「?はい~夜な夜な徹夜しました」
「僕の耳で探知してないってことは「こっそり…」
はあーとため息をつくと、グリグリと頭をゲンコツで弄る。あいててて~と言う声が聞こえるが、もう知らない。

「や、やりません~~今度からはこっそりやりません~~でも『碁石』の方は増えていくので無理ですぅうううう目の前で作りますーーー!!」
「目の前でやればいいってもんじゃ……」
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