第2章 愛の罠
こんなこと、きっとここで話すことではないだろうし、一応初対面のはずなのだ。
私は何を口走ったんだ。あとで後悔した。
「みずきちゃん、今いくつなの?」
ふいに”ちゃん”付けされたことに驚き、質問が聞き取れずに聞き返してしまった。
”ちゃん”付けなんて高校以来な気がする。
「今年で27歳になります…。」
「若いね~!」
話を聞くと私はどうやらやすさんと10歳離れているようだ。
歳の差なんて気にしない方だけど、さすがに10歳も離れていると驚きは隠せないものだなぁと思う。
「そんな年上に見えないです…」
「ありがとう。でもファンの子にもいつまでも若くて素敵です~とか言われるけど自分では割と年相応だと思ってるんだけどねぇ。」
どんなケアをしたらこんな若さを保てるのだろう。
いい加減そろそろ本当にここにいるべきではないと思った私はやすさんに問うた。
「あの、そろそろここでませんか。」