第41章 絶対的な『王』の名は
「そんな!!コイツは天竺の総長のハズだよ!?」
「え!?」
「どういう事だ…?オレ達の見てきた過去とは違う…」
「黒龍の総長だった奴が何で天竺に…」
それにアイツは何も言ってなかった
ちゃんと天竺の総長って名乗ってたし…
「…黒川イザナ…調べてみる価値がありそうですね…」
「あぁ……」
「少し警察のネットワークを使って調べてみます!」
「オレもオレなりに調べてみるよ!」
「私もあまり役に立たないと思うけど頑張って調べてみるね!」
そして一旦解散となり、カノはタケミチに家まで送ってもらうことにした。
「ごめんね、送ってもらっちゃって」
「女の子がこんな夜に出歩くのは危ねーだろ。カノちゃんみたいな美人さんは夜道で襲われる危険性があるし、一人で帰らす方が心配だっつーの」
「もう女の子って年齢じゃないけどね」
返答に戸惑い、苦々しく笑った。
「そういえばさ」
「ん?」
「元黒龍だった"乾青宗"と"九井一"って何してるんだろうね?」
「あぁ、イヌピーとココか。言われてみれば確かに。でもナオトの死亡者リストには入ってなかったけど」
「あの二人に会えば何か分かるかも」
「そっか!あの二人なら何か知ってるかもな!…まぁ…どこにいるかもわかんねぇけど…」
「教会は?」
「え?教会?」
「黒龍とやり合った場所」
「行ってみる価値はあるか…。じゃあオマエ送ってから行ってみるよ!」
「ううん、私も行く。タケミチくんだけに押し付けるのは違うもの。それとも…女の私が一緒だと君の足でまといになるかな?」
「そんなわけねぇだろ。むしろオマエが一緒で心強いよ勇者様。早速行ってみようぜ!」
「うん」
来た道を引き返し、二人は教会に向かった。
✤ ✤ ✤
「うあー懐かしい!!…いい記憶ねぇけど」
「まだ少し人がいるんだね。邪魔にならないように後ろの方に座ろっか」
祈りを捧げる人達を見ながら後ろの席に座り、この教会で黒龍と戦った日からの記憶を辿っていく。
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