第41章 絶対的な『王』の名は
「オレがオマエを息苦しい世界から救ってやる。そんでマドカさんやマイキー君達のいる世界をオマエに取り戻させてやるからさ」
「タケミチくん…」
「約束する!だからこれからもオレと一緒に『幸せな未来』を手に入れるまでの冒険をしようぜ!勇者様!」
バッと手を差し出される。半間の呼ぶ『勇者チャン』は嫌いだけど、タケミチの呼ぶ『勇者様』は嫌いじゃない。
「うん、最後まで付き合うよ。『幸せな未来』を手に入れるまで頑張ろうね、ヒーロー!」
ガシッと手を握れば、タケミチはニッと歯を見せて笑う。それにカノトも笑い返す。
「今、大事なのは"天竺"が何者かって事だ」
「もし稀咲もタイムリーパーならきっと今必死なはずだね。アイツは現代(みらい)で死んでるから、未来に戻れないんだ」
「あぁ!今回はアイツも失敗してるんだ!!」
「…まずは本当に稀咲がタイムリープしてるのか、確認しないと始まらない。やっぱり天竺のアジトとかにいるのかな?」
「あー…そのことなんだけどさ…」
「?」
ポリポリと頬を掻き、視線を逸らしながらタケミチは言いづらそうに言った。
「実はもう天竺のアジトに行ってきたんだ」
「え!?タケミチくん一人で!?」
「いや、千冬と肆番隊の隊長達も一緒!てかカノちゃん!あそこの隊の隊長と副隊長が双子だって知ってた!?」
「そうなの?いつもニコニコ笑ってる方なら見かけたことあるけど…」
「アングリー君って言って、顔はめっちゃキレてるのに実は優しい人なんだよ!」
「(キレてるのに優しいの…?)」
「でさ、みんなで天竺のアジトに乗り込んだら、そこで偶然懐かしい奴と再会したんだ」
「懐かしい奴?」
「小2の時に転校しちまった幼馴染がいて。あ、鶴蝶って言うんだけど、ビックリなことにそいつ、天竺の四天王になってたんだよ!」
「へぇ…タケミチくんの幼馴染が天竺の四天王に。でも天竺って東卍の敵だよね?信頼していい人なの?」
そう聞くとタケミチは核心を突かれたように、"うっ…"っとたじろいだ。
「で、でも悪いヤツじゃないんだ!それにカクちゃんもこの抗争を良くないって思ってて!でも黒川イザナって言う天竺の総長を放っておけねえらしくてさ!」
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