第11章 いざ、京都へ
「リクオ様、ちょっと…席を外していただけますか?」
首無はニコリとリクオに笑いかける
リクオが不思議そうにしていると首無がグイグイとリクオを押した
「お…おい…?」
「いーから、いーから!」
リクオは部屋から追い出された
『…私は??』
「サクラ様はいてください。
ご存知でしょうから。」
首無にそう言われた
『??わかった…?』
首無怒ってるなー…
あーやだやだ、この空気のこの部屋に残されるの鬼かよ
「遠野共よ、たしかに…奴良組が最大の勢力を誇ったのは江戸時代だ。
リクオ様のお父上が大将となり、関東の荒くれ妖怪をたばね妖世界の頂点と呼ばれたのだ。」
首無の雰囲気が変わった
「…お、な、なんだこいつ…急に…リクオがいるときと別人じゃねぇか…」
「それがどーした?昔話なんか知らん。今、どーなんだよ。
心配だ、てめーらが足手まといになんじゃねーかってな。」
イタクがそう言った
「妖怪ヤクザの若頭たる者が"鬼發"も"鬼憑"もわからねぇ!
なぜ誰も教えない?
答えは…"誰も使えねぇ"、そんな組に上に立たれるなんて我慢ならん」
イタクの言うことも一理あるよね
ただ…みんなが弱いって訳じゃなんだけどね
「無知も度が過ぎるとかわいげがないな。遠野の産土では習わなかったのか。
カマを背にした男、礼儀を教えてやる。おもてへ出ろ。」
首無はキレていた
発される殺気が部屋に殺伐とした空気を流す
「バカ、首無。やめな。
それ以上は、あたしらだっておさえてんだから。」
こういう時に首無を止めるのって毛倡妓だよねー
私は呑気にそんなことを考えていた
「オレたちが上だ、やれるもんならやってみろ。」
イタクのその言葉が合図となった
首無がイタクに飛びかかる
『ちょっと…』
「バカ首無ー!」
と毛倡妓
「キレちゃったよ…しつこいんだよイタクも!!」
と淡島
2人は宝船を破壊しながら戦う
『…ハァ…京都に着く前からこれか…』
「……へぇ、ヤサ男だと思ってたら…ヤクザ者っぽいところあんだな。」
とイタク
「教えてやる。私とて少しは名の知れた妖だ。
"常州の弦殺師 首無"それが私の…江戸時代(むかし)の呼び名だ」