第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
「えー、今日は最終日だ。明日警察が来る。明日に備えてみんな早めに寝よう。以上!解散!」
「え?」
「ちょ、ちょっと待て!早いよ!なに速攻で終わらせてるんだ!」
「なんだアカイ…」
「もう話すことなんてないだろ」
「会議とかダルいんですけど〜」
「帰っていい?」
「(あら?今日の会議もしかして余裕?)」
「俺は言うことがあるんだ!みんな戻って!」
「あーはいはい、わかった」
「お前の言いたいことはわかるぞ。『クロサキが犯人だ!』だろ?いるんだよねーそういう奴」
「(アンタたちよ!)」
「た…確かに…クロサキが犯人だって言いたかったんだけど…。俺はお前らとは違う!決定的な証拠を持っている!」
「決定的な証拠?」
「シラユキはな…死ぬ間際にダイイングメッセージを残していたんだよ!」
「(しまった…!アカイを止めるのを忘れてた!)」
「え?マジ?」
「スマホでメールを送信する途中になっていたんだ。シラユキを殺したのはクロサキで間違いないだろう。俺はこの証拠を警察に提出するつもりだ」
とにかくアカイを止めないとマズイわね…
「そのダイイングメッセージなんだけど…なぜ今になって出てきたの?」
「俺もお前を疑いたくはなかった…。胸が締め付けられそうだ…。だけど、こんなものを見たら…」
「……………」
「もういいだろう…。頼むから本当のことを聞かせてくれ。今ならまだ間に合う…。お前が…やったのか…?」
「私は…私はシラユキを…殺してないわ!」
ここまで来たのに諦められるもんですか!絶対に逃げ切りたいのよ!やっとアンタたちの疑いの目を欺けるのに…ここで認めたら今までの苦労が水の泡よ!!
「これは…私を犯人に仕立て上げるためのワナよ!誰が犯人かは分からないけど…私は…潔白よ!!」
「いい加減にしろよ!このダイイングメッセージはどう説明するんだよ!」
「このダイイングメッセージはおかしいわ!」
逃げ切るためなら何だってしてやる…!!
「そもそも、こんなダイイングメッセージを残す前に…なぜ地面に書かなかったのか!わざわざスマホを取り出して打つヒマがあったら普通地面に書くわよ!」
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