第22章 呪い合い、殺し合い、
一方、レジィもまた伏黒の式神の様子をつぶさに観察していた。
見たところ、それぞれに特徴がある。
最初の犬は足も早く、爪や牙も強力でかなり戦闘向き。
針を地面まで叩き落とした鳥は呪力が帯電していた。
続いてその質量と水で攻めてくる象。
犬の式神はダメージを与えて以降、出してきていないことからある程度の攻撃で破壊でき、破壊された式神は使えなくなる。
だが、その法則に入らないと思しき式神も……
包丁が刺さって影に消えた兎だ。
1体殺しても次々湧いて消える気配がない。
あの兎の式神は他のとは違うみたいだな。
どんなに殺しても湧いてくる。
そして水責めを織り交ぜてきたってことは……
「気づいてるね、俺の術式。だからって水責めは安直じゃなーい?」
「レシート内容の具現化……厳密には違うんだろうが」
「その通り。表現が難しいんだけど『契約の再現』ってとこだね。つまりこんなこともできる」
レジィが2つ折りになった領収証を呪力で焼く。
―再契象(さいけっしょう)―
すると、たちまち細かな傷や汚れが消えた。