• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第18章 無垢なる贄と仮初の平穏と



「……どうしてこうなったのよ?」


呆れた野薔薇の視線の先には、小学生に囲まれて校庭で遊ぶ虎杖がいた。



隣町の小学校近くの公園に着いたのが30分程前。

狙い通り学校を抜け出している子供を見つけ、まずは警戒されないよう一緒に遊ぶことから……と思っていたら、予想以上に子供達の輪に入り込むのが早く、瞬く間に子供達の人気者に、そしてあれよあれよと校庭まで連行されたのだ。


虎杖のコミュニケーション能力を完全にナメていた。





学校に入ったところで教員に見つかったが、子供達の強い希望により、校庭に入ることまで許可され、こんな状況になっているのだ。



今は虎杖が子供を両手に抱えて猛スピードで走っている。
さながら簡易ジェットコースターといったところだ。

抱えられた子供は大はしゃぎで歓声を上げており、見ている子供は指を咥えて自分の番を待っている。



他にも子供を腕に掴まらせてぶら下げたり、そのままグルグル回ったり、あらゆる遊びを子供からねだられている様子で、正直話を聞くどころではない。


虎杖も虎杖で疲れ知らずなので、子供達の希望に応えてしまうのだ。
これが普通の大人、例えば教員ならとっくの昔にへばってる。



「お兄ちゃん!次は?次は何して遊ぶ?」

「シーソーしようよ!」

「ブランコがいい!」



虎杖は子供達に腕を引かれ、あちこちの遊具に連行されている。



まだまだ解放されそうにない様子を見て、これはマジで下校時間になるまでマーキングのことは聞き出せそうにない、と野薔薇は肩を落とし、学校の時計を眺めた。



終業時間まであと1時間程―……



/ 1233ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp