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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第40章 悔いのない人生を


仕方ねえな……、と悟の側に寄り、手を伸ばすと胸にこの日の為に用意していただろう、青と白の薔薇の花束を抱えながら少し屈んで、撫でろ、と頭を差し出す彼。
この人はずーっと変わっていないなあ…と嬉しくなる中で、ここ以外での生活もちゃんとしてるのかが気になる所。こうも手間が掛かるのだからとびきり我儘を撒き散らしてるに違いないでしょ…、子供達他、高専の皆にストレスを撒き散らしつつさ?
悟の頭をわしわしと撫でながら私は、近くに居た小春を向いた。

『領域の外では家族みんなでうまくやってる?悟……父さんは大丈夫そう?迷惑掛けてない?』

「ん…?五条家の男達は任務に引っ張りだこだよ。私達姉妹は治療に忙しいし、鎹は治療もしつつ術式の関係もあって前線にも行けてる」

『前線…!わあ、そうなんだ~…!』

受け継いだものの特性が違うから、戦いに特化した男達、そして治療に特化した女達……、初代の術式を引き継いだ鎹がそうも成長したと知れば鼻も高いもの。
死んでからなら分かる、産んだ子供達の姉妹達の呪力や術式。四人の女のうち、一番呪力量や実力があるのは鎹。呪力がとても低いのは双子である小春。

使う場面に出くわしていないからか、まだ必要してないのか……、次女・三女は領域展開が出来るだろうに、長女である夕陽にはここに来る手段をこちらからは感じられない……。
本人達もそこに悩みがあるのかもしれない。

来る時は鎹を皆当てにするのは彼女が前線に居るが故に、呪術師として術式が研ぎ澄まされているからで…といっても、領域に来る手段を今更増やしたとしても、私はここに持ち込まれる呪力を出来るだけ抑える為にあまり来ないでと、この場所を縮小させているからやってくる回数が少ない方がありがたいんだけど。

にこ、と笑った小春の隣の三男。

「父さんは未だにずっと母さんの事が大好きだから、俺らが知る限りは"浮気"してないよ!」
「あっ、こーらっ!恥ずかしいでしょっ、ンもう!」

そういうけれど悟は恥ずかしそうには見えない。
子供みたいにさ、頬を膨らましてぷんぷん、と子供に絡むのは誰にでも絡む時(迷惑を掛ける、とも言う…)の姿にそっくりで。

『ははは…、そうなんだ……、別にいい人が居れば再婚したって良いのにね…?』
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