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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第37章 繋ぐいのち、五条と春日の鎹


任務がある分、僕よりも長い時間を過ごしている事もあり、母親としてか子供から離れたくないのかもしれない。でも、ハルカが疲れているのは見ていて確かで。
……疲れた彼女を見ているのは少し、痛ましい。

お箸でクイクイ、と実家(五条家)のある方向を指して僕は安心させるように笑った。

「大丈夫大丈夫!僕だって両親だけじゃなくお世話役に育てられてたみたいだしね?蒼空との境遇は近いものがあるんだ、ガキだった僕には賞金まで掛けられてたんだし~?それは今も変わらないけどっ」

とにかく四歳から六歳までの間に発現するだろう、受け継がれた術式。それを上手くコントロールさせ僕みたいに自分の身は自分で守れるように強く聡い子に育って欲しい。それまでの健やかに育つ為には周りの協力は必須。ずっと僕やハルカが側に居られないし、兄弟達を守れる兄へ。大切に育てるためには僕ら以外の手を借りなきゃいけないって事!

少し考えた後にハルカは僕をじっと黙って見つめてる。そのジトーって視線、多分まだ迷ってたり疑ってるんだな。

……もうひと押し、しないとね。と厚焼き玉子を箸で挟んで持ち上げて、ばちん!とウインクして。

「なぁに、一度に二、三日子供を見てもらうんだ。その間お酒とかちょっと飲めたりするんじゃない??」
『……っぐ!悪魔の囁きか~?……そそのかされる…!』
「あっ、つってもこの機会しかない!ってべろんべろんになるまで飲むのはナシだよ!あくまでも授乳時にお酒が抜ける程度じゃないかなあ…」

子供を回収する前日とかだときっと残るし、それより前に嗜む程度ってね。
ぷく…と頬を膨らまし黙り込む彼女。ハルカの中の天秤が大きく傾いてる。
更に畳み掛けちゃお。箸で挟んだままの厚焼き玉子を醤油皿にとんとん、と適量の醤油を着けて持ち上げて。

「子供を預けてる間はある意味ではキミも母親から一時的に開放される。その間に少しだけ体を休めて、眠れる時にしっかりと寝て。きちんと休んでまたお母さんに戻る」
『それは良い提案かもしれないけどさあ……悟、育児に飽きたとかそういうんじゃないよね…?』
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