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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第32章 御三家


生徒としては最後でも皆に会えるのは今日が最後じゃないから別に良いけれどさ。愚痴る私にはっとした顔で見て、ドヤ顔をする悟。
なんだろね?嫌な予感しかしない。

「妊婦のキミをあまり走らせたくない僕には、これくらいしか出来ないかなー?」

声を漏らす事なく、悟はひょい、と私を横抱きにして。
走るのか?と思ったけれど、そんな思考が序盤ほどで風景が室内に変わってる。彼は走る事なく、術式での移動をしたってわけだ!

気を遣い、そろ…、と丁寧に床に降ろされる。
伏黒の席、机の上に雑誌を開いたまま虎杖と野薔薇が囲んでいて、突然現れた私達を見て固まってる。
私も何事も無かったように振る舞う悟を視線で追う。彼はご機嫌にいつもの調子で片手を上げて皆に挨拶をしている。

「はーい、皆~!おはようサンサンありがとサン!Hey!」

明らかに虎杖の視線が壁掛け時計に行ってる。言いたいことは分かります、うん。そして虎杖が次に口に出す言葉も大体が予想付いた。
虎杖が時計から悟へと視線を向けて「先生ー」と悟に声を掛ける。

「ホームルーム始まるより前だけど来てて大丈夫?お腹でも痛いん?」
「なんで僕が時間前に来てると皆心配するわけ??別に変な物も食べてないよ?」
『……自分の胸に手を当てて聞いてみな、遅刻魔の心音が聴こえるから』

への字口で黙った悟から伏黒達に向き、手を軽く上げておはよー、と伏黒や野薔薇に挨拶すれば野薔薇は手を挙げ、伏黒はそのままに返してくれる。
虎杖はご機嫌メーターの下がった悟の相手をしてくれてるし。

時間前十分とは行かずとも余裕で教室に来られたから、荷物を引っ掛けて皆が集まる伏黒の席に吸い込まれるように近付く。その私の背後にどしたの~?とややぶりっ子気味に着いてくるのは悟。この人、生徒じゃなくて教師なんだけどなー?行くのなら教卓で、まもなく始まる朝のホームルームに備えて欲しいんだけど。
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