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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第32章 御三家


「紛れもなく健康体そのもの、あたり前田のクラッカー、だよ?お腹空いたらコレ、休憩時間にでも食べな」
『……いつもにも増して重症だねー、ある意味安心した』

ただ静かだからって心配して損したわ、とポケット菓子を彼から受け取ってしまい込む。これは駄菓子屋に行った時に買ったやつだな?昔の俳優さんがネタにやってたやつぅ……。
片手でアイマスクを整えたらしい彼が、またポケットからガサ、と取り出した。

「むっ?不機嫌なハルカちゃんを察知。クリケットの方が良かった?」
『前田シリーズを押してくんな……というか、こんな事だらだらやってたら遅刻するでしょ!最後の日くらい余裕で行きたいんだけどっ!?』

朝っぱらからあたり前田のクリケットとかネタを披露してる悟を置き。今は視界に入らないようにしとこう、思わずツッコミそうになるもん。
忘れ物は無いよね?普段置いてるものも回収するから、空のトートバックも持ったし……うん、よし、良いでしょ。

私は今日で最後だとしても、悟は教師のまんま。
まあ、教室内でなにか仕事したり高専内をうろつくだろうから彼は焦らなくて良い。遅刻に躊躇いの無い人だし。だからこうものんきにあたり前田のクラッカーだとか急いでる私に押し付けていられるんだけど。

『はい、じゃあ悟、戸締まりよろー』

「まって?いつもみたいに一緒に行こうよ~、なんで置いて行こうとしてんのよ?さとるん、置いていかれるのはかなぴーよ?」

そう言う悟だけれど、準備万端っぽい状態で出勤する気配がなくて完全に留守番気分だし。
……マジで置いてくぞ?私には悟みたいな瞬間移動とかそういう術式持っていないんだからね?とまだ室内で靴も履かずに居る彼に、私はブーツを履き終えて振り返った。
ほら、まだそのまんまじゃん。置いていかないで、というにはのんびりしてる様子だもん、私が彼に合わせてたら遅刻する。遅刻の常習犯なんだし。五条悟と書いて遅刻魔ってルビ振ってもいい!

『そういう事は靴を履いてから言えや、じゃあいってきまーす!』
「待って待って待って超待って!学生最後の行ってきますのちゅうをまずしなきゃいけないでしょっ!僕らのルーティン!愛の序破急!」
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