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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第22章 キミは蜘蛛の巣に掛かった蝶


『駄目ですって!毎度口止め料頂いてますし!』
「口止め料??あっ、まさか学長なんじゃないでしょうね?」

『………』

……今の、ヒントだったかぁ?なんでバレたんだろう?
串を横にし、もも肉とネギのワンセットにかぶりつき、スッ…と引いて、もぐもぐと静かに味わい、残りが突き刺さったままの串を持ったまま空いた手でビールを飲む。その沈黙に対してニヤリと笑う歌姫。

「当たりでしょ?絶対当たりだ、顔に書いてあるわよ?」
『まっさかー?顔に出ないようにしてるのにー?そんなワケがそんなワケワケですよ、ワケワケさんですわよ』
「口に出してるわよ、それは肯定でしょ」

あっ…。
言ってしまったようなものかー、とジョッキの取っ手の結露で濡れた手で口元を覆い隠した。冷たい。
ま、まあ…歌姫ならば悟に言うわけないし……バレても大丈夫か!とゆっくりと首を肯定するように振った。

『……まっ!学長が常連客になってると言っても大した怪我じゃないですよ?腰痛とか、肩こりとかそういう加齢によるデバフの治療ですかねー……
あ、これ悟には言わないで下さいね、私どらやきとか手焼きせんべいとかお酒とか練りきりとか頂いてますし』
「口止め料というか餌付けで黙るのかい、あんたは……」

やや呆れた歌姫はフッ、と笑う。なにやら安心した表情とも取れた。

「……そういうのなら良いけれど。どこまで治癒が可能なのかっていうような実験まがいの事とか、無理に任務の前線に連れて行かれるだとか危ない事は誰であれ、頼まれても絶対にしないようにしなさいね?今言ってた学長の件みたいに事後報告じゃなくて事前に私に言うこと!ほら、こうして飲みに誘うからそういう時にでもさ?」
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