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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第22章 キミは蜘蛛の巣に掛かった蝶


207.

放課後になって寮の部屋でさっさと私服に着替えたら、準備完了。寮を飛び出し、待っていたややボーイッシュな格好の歌姫と共に高専の外へと出掛けた。
今日は焼き鳥がおつまみです。今日は昼間っから夕飯は焼き鳥の口にずっとなってた。事前に歌姫により「たれも塩もほんっとに美味しいのよ!」と熱弁されていたのでどっちも味わい尽くすつもりで。
大通りから少し外れた小道へと曲がれば、その細い道の両側に幾つもの赤ちょうちんがぶら下がってる。如何にも隠れた名店がここに凝縮されてんだろうな、と両側をちらちらと見ながら進む。
ラーメン、おでん、焼き鳥…焼き肉。メインが被っていてもどの店舗も賑わい始めてて。

「ここよ、ここ!さっ、入るわよ!」

指差した焼き鳥の赤い暖簾。ここに辿り着くまでに様々な美味しい香りを嗅いだけれど、明らかにベクトルが違う。奥側にあるというのに、少し早い時間で結構人が入ってて。

『おー…楽しみです!』

開いたままのドア。暖簾を潜って入店すれば元気な中年男性のラッシャイ!という掛け声を受けて、空いた席へと座って。確実に美味しいって保証もあるのなら、ここはちまちま試すような事はしなくて良さそう。焼き鳥合盛りを頼むぜ!……と、合盛りやおにぎり、お新香を注文しておいた(もちろんビールも…大ジョッキで……)

確かに歌姫が熱弁していた通り、美味しい。合盛りであるからこそ色んな種類をたれと塩、共に食べ比べながらジョッキのビールで流し込んでいく。味の濃いものって事もあって、おにぎりセットの白米部分がイケる。でもこれ普通にご飯頼めば良かったかなー調子に乗りすぎたのでは。悟が見ていないからといってこうも自由な食事をしてしまうと、後でウエイト面からバレる可能性よ……
……明日来るんだっけ。もうどうしようもないや!来るなら来い!と、やけくそというか欲のタガが外れた。

『ウマーイ、なにこれ…!美味しすぎる…これは常連にもなりますわ……通いすぎてポイントカード作っちゃう…』
「ははは…ポイントカードはここはやって無いわね……」
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