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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第22章 キミは蜘蛛の巣に掛かった蝶


なお、5つ入ったどらやき、部屋に持ち帰ると「なにこれどったの?あまーい」と言って速攻悟がムシャッてた。学長からとは言えず、『医務室への差し入れ。結構呼び出されるからね、貰ったの。医務室で食べきれないから、持ち帰った』と伝えてある。ふーん、と返事してた悟だけれど納得したのか怪しんでるのかは分からない。

そして更に翌日も学長は来ていた。お手頃サイズの日本酒を持って。どら焼きじゃ心打たれなかった私には上等のもの……もう、文句は言えないや!とにっこにこな私は手を擦りながらお酒を頂き、部屋での晩酌をしてひとりハッピーになっていたってワケなんだけれど。
一日目から昨日まで学長自らが皆勤賞なので、二週間だけじゃ済まないだろうな、と私は見ている。他の関係者がこれを知ってるのか知らないけれど、割と私が必要だって事らしいのでまた期間を空けて今回みたいに授業しつつ医務室に駆けつける、を繰り返すサイクルをするんだろうな。

天井付近の壁をぼーっと眺めつつ、楽しいし食べ物も美味しいし……ただ忙しいのはな、とまだ折り返し地点に居ないこの京都校生活に思いを馳せる。
三輪は不思議そうな顔で覗きこんでいた。

「まあ、それでも良いんですけれど……一番はさくっと治るのが良いですよね!私の、秒でしたし」

とても軽いものだったからほぼ触れただけのようなもの。重傷だったらもうちょっと時間は掛かっていたけれど。
なによりも今年の春の終わり頃にこの世界に入り、何度も経験を積んでこられたから時短が出来るようになった。
……皮肉にもリベルタでの経験が一番の糧になっているのだけれどね。思わず苦笑いが出る。

『数秒っていっても元は数分掛かってましたよ。でも使ってるうちに……リベルタで強制的に使われてきて、無理に経験を積んだ、的な……』

……そういえば、もしかしたら三輪達もあの時に参加してたのかもしれない。私が捕まって居た時。京都の人達も参加してたっていうのだから。
あー…と、懐かしむ三輪の後ろから、片手を半分くらい挙げたメカ丸が数歩、こちらに詰めてきた。三輪は私の腕から手を離し、私のすぐ側に立ち上がってメカ丸を見てる。
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