【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第26章 執着
しばらくしてオーダーした料理が届けられた。運んできたのはまたしても。
「あっ、今日はお客様がシーフードドリアじゃないんですねぇ、いつもご注文いただいてるからてっきり〜」
だってさ。はぁ、発言の内容も、甲高い猫撫で声も、いちいち気に障る。
イグニスオススメのドリアは、海老や帆立など色んな魚介が入っていて熱々のクリーミーでとても美味しい。やたらとあからさまな態度の女性のことがなかったらきっともっと味わえただろうのに。
「ねぇ、気付いてる?」
「何がだ」
「あの店員さんに好意寄せられてるよ、きっと」
「そうか」
「うん…って、それだけ?」
「オレが好意を向けられたい女性は、この世でお前一人しかいないからな」
唐突な甘い言葉に驚いて俯いていた顔を上げれば バチン、と目が合って、思わず「んぐ、」と声が詰まる。相変わらずのストレートな愛情表現に照れる私の様子を見て ふ、と口角を緩めて微笑んだ後スッと真面目な顔をしてイグニスが言葉を続けた。
「この店に入ってからどこか様子がおかしいと思っていたが、そういうことか…ふむ」