【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
他では見ることの出来ない光と水とペンギンのハーモニーを楽しんだ後、今度は直接ペンギンプールの前まで行ってみることにした。
先程まで見慣れない光に興奮していたペンギン達だったが、今では多くが陸に上がって身体を休めていた。
「半分以上陸に上がってきてるね。さっきので疲れちゃったのかな」
「それもあると思うが、時間的に就寝の時間かもしれないな。
ほらグレイス、あそこにいるペンギンを見てみろ」
「ん…? あっ、瞼閉じてる。もう寝てる…?」
「そうだ。ペンギンはそれぞれ自分の『お気に入りの場所』があるらしくてな、毎日必ずそこへ戻って眠るらしい」
「へぇ…『ここが自分の』みたいな感覚があるんだ、面白いね。
あ、あっちではお互いの羽をお手入れしあってるペアがいるよ」
「あぁ、そうだな。あのような仕草が多く見られるのも夜の時間帯の特徴らしい。
ふ、それにしても手入れされている方のあの安心しきった顔…、あの二羽は番かもしれないな」
オレ達みたいに、と言いながら私の頭を撫でたり髪に指を通してくるイグニス。
彼の男性らしい固い指先が頭皮を梳く感触と、愛しさを伝えるようなその指先の動きがとても心地良くて、頭をイグニスの肩に預けながら仲睦まじい様子のペンギン達を眺めていた。
そうやって丁寧に互いの身体を労わり合った後、その二羽はぴったりと寄り添いあいながら瞼を閉じた。その姿は、今の私達とお揃いだな、なんて。
「あ…寝ちゃった、かな…?」
「そのようだな。
オレ達も彼らに倣って、そろそろ『お気に入りの場所』へ帰ろうか」
「…うん」