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【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)

第24章 カレシとカノジョ


二人で穏やかな夜の海の時間を楽しんでいると、大きく開けた場所に辿り着いた。どうやらここは水族館の中でいう2階になっているようで、吹抜から1階中央部分にあるペンギンプールがよく見渡せる場所になっていた。

「わ、すごい。いつの間に2階に上がってたのかな、気付かなかった」

「はは、本当だな。それに、ここからなら『花火』がよく見えるんじゃないのか?」

『水族館内で花火』とは、ナイトアクアリウムのメインイベントでペンギンとプロジェクトマッピングのコラボレーションのこと。

もう少しでその時間ということもあり、1階のペンギンプール周りはもちろん、2階のこのスペースにも段々と観客が集まってきた。

期待を胸にショーの始まりを待っていると、館内の照明とBGMが消えてしばらくした後 ひゅ~~~…どっかーーーん!! と夏の夜空を連想させる花火の打ち上げ音と共に、カラフルな大輪の花がペンギンプールの底一面に ぱっ! と咲いた。

館内から「おぉっ!」と歓声が上がる中どんどんと花火は続き、ペンギン達がその光を不思議そうについばもうとしたり、追いかけるように泳ぐ姿も相まってこれまでに見たことのない可愛く美しい花火だった。

それに加えて、私達が見ているのは2階からだったので、プール底面に投影された花火に向かってペンギンたちが飛び込んでいくことで生じる水面の揺らめきと光の交わりも同時に楽しむことが出来た。

「本来空に上がるはずの花火を水の中に沈ませるとは斬新な発想だな」

「うんうん、照明が水に反射するのも合わさってすごく綺麗だよ…!」

「グレイスに喜んでもらえて良かった。夜空に上がる花火も、二人で見に行こうな」

夢中になって光やペンギン達の様子を目で追っていると ぐい、と肩を抱き寄せられ耳元で優しく囁かれた。
ショーの演出にざわめく館内でも、イグニスの性格に似た芯のある声はよく通り、甘く鼓膜を揺らしていく。

「うん…思い出、いっぱい作ろうね」

「勿論だ。すぐに、と言ってやれないのが申し訳ないのだが」

「そんなこと思わなくて良いよ。時間は沢山あるんだから」

肩を寄せ合いながらすぐ隣の彼を見上げ「だって、私のこと一生愛し続けてくれるんでしょう?」と微笑めば、一瞬驚いたようなハッとした表情を見せた後、その切れ長の瞳を大きな弧にして自信満々に頷いてくれた。

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