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【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)

第24章 カレシとカノジョ


ランチや休憩を挟みながら二人の時間を楽しんでいると、あっという間に時刻は夕方の17時を回っていた。

「そろそろ水族館入ろっか。 イグニスは明日の夕方からお仕事だったよね? この後は私のお家寄っていって。一緒に晩ご飯食べよう」

「それは嬉しいお誘いだな。お言葉に甘えるとしよう」

久しぶりに会えた恋人との時間はどれだけあっても多すぎるなんてことはないもの。
この後の約束も取りつけて、より幸せな気持ちで水族館へと足を進めた。

二人手を繋いで進んだ館内は、商業施設の一角にあるということを忘れさせてくれるような立体感のある作りになっていた。入館してすぐのところに開放感のある大きな吹き抜けが設けられ、その背の高い壁面には大きな水槽が埋め込まれており、その中をゆったりと大小様々な魚達が思い思いに行き来していた。

「わぁ…! すごいね、海に近くもない街中の商業施設の中にこんなの作っちゃうなんて…」

都心に造られた魚達の美しい住処を二人並んでゆっくりと眺めていると、段々と館内の音楽と照明の雰囲気が変わってきたのがわかる。

これもナイトアクアリウムの演出の一つらしく、太陽が沈んで海にも夜が訪れたことを表現する為に、青の照明を水槽の上からあて、幻想的な雰囲気を見せてくれている。

それに合わせて、小さな年齢の子たちが帰った後の落ち着いた館内によく似合う穏やかな音楽が流れ始めた。海中を思わせるこの青い光も音楽も、静かに揺らめく生き物の姿にとても優雅にマッチしている。

ライトアップされてキラキラと透けるように輝くクラゲや色鮮やかで可憐な熱帯魚たちを二人顔を寄せながら眺める時間はまさに恋人たちのもの。

昼間の賑やかなショッピングエリアとは打って変わって、小声で十分会話が成立する静かな空間も、また自然と二人の距離を近付けた。

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